今さら恋なんて…
「お疲れ様。どうぞ?座って?」
あたしはそう言って、前の席を指さした。
「あ、ああ。すみません」
龍哉はそう言うと、あたしの向かいに座った。
「お疲れ様」
その声と共に、袴田さんがお水を置きに来てくれた。
「あ、すみません。お疲れ様です」
龍哉はお礼を言うと、お冷を口に運んだ。
「…まさか、お待ち合わせの相手がウチの遊川だとは思いませんでしたよ」
袴田さんはあたしに向かってそう呟くと、あたしのカップにコーヒーを注ぎ足してくれた。
「まぁ…ひょんなことから知り合いになったのよ」
あたしは向かいに座った龍哉に、「ねー」と首を傾げながらそう言った。
「あ、ま、まぁ…そうですね」
「そうですか。…では、ごゆっくり」
袴田さんはそう言って頭を下げると、ゆっくりとその場を去って行った。