今さら恋なんて…
「どうしたんですか?」
アタルはそう言って首を傾げる。
「う、ううん。綺麗とか言われたから照れちゃっただけ」
「え?司さん、言われ慣れてるでしょう?」
「そんなことないよ。あたしは“綺麗”ってキャラじゃないし」
あたしはコームを握った左手を振りながらそう否定する。
「そうですか?…まぁ、綺麗なだけじゃなくて、カッコイイ感じはしますけどね」
「…やたらカッコイイって言われるんだけど…どうしてそう思われるんだろう」
「そうなんですか?…雰囲気もあるんじゃないですかね…。黒髪、ってところもカッコよく感じる一因なんじゃないですかね?」
「…なるほど」
あたしはずっと、黒髪を通している。
別にカラーリングした髪が嫌いってわけじゃなくて…キャラじゃない、って思うだけで…。