今さら恋なんて…
ベルボーイやコンシェルジュ達が動き回っている…が、全然慌ただしい感じがしない。
ムダな動きがない、ってのもあるだろうけど、お客さんにせわしない日常を忘れさせるためでもあるのだろう…。
本当にこのホテルの中だけ、外の世界とは時間の流れ方が違うんじゃないかと思うくらいだ。
「そうですね。今日は日曜日なのでお帰りになる方が多いですから…」
「…ここって一度泊まったら帰りたくなくなりそうだね」
旅行の最終日って淋しいものだけど…ここに泊まっていたら、その淋しさも倍増しそうだ。
いつまでもここに居たい、と思ってしまうかもしれない。
「あはは。そう言っていただけると嬉しいです」
アタルはそう言って声を上げて笑った。
そこへ、
「お待たせしました」
って、龍哉が現れる。