愛されオーラに包まれて
そう言えば、入社前研修で泰河たちと一緒になって、しょっちゅう飲みに行っていた最初の頃は、確かに泰河はタバコを吸っていた。

でも、いつの頃か、その姿は全く見なくなった。

私がタバコ嫌いと言ったわけでもなく、泰河もタバコを止めた宣言をするわけでもなかったので、そのまま気がつかなかった。

お母さんが片付けを始めたので、私もお手伝いをさせてもらった。

『泰河のこと、よろしくお願いしますね』

食器を洗う手を休めずにお母さんは言う。

「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」
『あの子はね、とにかく人付き合いに対してモノグサで、女の子と付き合っても、出掛けること自体が"面倒臭い"って断わっちゃうのよ。とにかく"ヤッて捨てる"みたいな、とにかく執着のない子でね』

親が普通"ヤッて捨てる"なんて言うかぁ??

『でも、遥香ちゃんに対してはそんなこと、ないよね』
「はい、多分・・・」

すると、キッチンの入り口付近から声がした。

『多分じゃなくて、絶対ないよ』
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