愛されオーラに包まれて
「愛されオーラ?」
『愛されオーラ?なるほど、そんな感じ。でも自分で言わないでよ、遥香ちゃん』
「私、向かいに座っている会社の先輩から"愛されオーラ"を感じてて、私も誰かに愛されて、オーラを放ちたいっていう夢があるもので、つい」

"アハハハ"とふたりに笑われた。

『と、言うわけで、タイちゃんは遥香ちゃんを絶対手放すことはないから、おばさん、大丈夫だよ。私は軽く失恋、なんちゃって』

失恋とは言うけど、あんまりみなみちゃんは悲しくなさそう。

『タイちゃんは、"お兄ちゃん"的な感覚だったんだよ。それに私には、本命がいるから』
『あら、そこは聞きたいじゃない。もしかしてこの間の方かしら?』
「この間の方って?」
『全く進展してないからまた今度ね~』

と手をヒラヒラさせてキッチンを出て行ってしまったみなみちゃん。

片付けが終わってリビングに戻ると、みんな帰り支度をしていた。

野崎さん一家は、英嗣くんと果林ちゃんが寝てしまっているので静かに帰宅。

みなみちゃんも"アスが帰るなら"と、一緒に帰っていった。

『遥香ちゃん、また会おうね』

と言い残して。

『お前たちも、泊まっていく?』

と、お父さんに聞かれたけど、

「いや、遠慮しておく。昨日も予定外で遥香の実家に泊っているし」

と、泰河が断わった。
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