愛されオーラに包まれて
挙式の最中も、披露宴の最中も、時折見つめ合う姿が二人とも眩しかった。

そう言えば、遥香と付き合うようになってから、初めて結婚式に列席しているんだ。

過去、親戚や友達や先輩の結婚式に列席している時、何にも考えずにマナー通りのことをしていただけだった。

それが今、ウツたちを見ていて、自分でも分かる。

俺は自分達に置き換えて考えているんだ。
それを意識したら、急激に心がポカポカしてきた。

二次会、遥香はどんな格好で来るのかな。

今日は一度も会っていないから、早く会いたいと思ってしまった。
昨日会社で会えているのに。

披露宴が終わり、場所を洋食レストランに移しての二次会。

貸し切り。
そこでは、俺と金澤が受付を担当する。

なぜ俺達かと言うと、単に余興をやりたくなかっただけ。

開始15分前に遥香は越後と一緒に到着した。

「久しぶりだな、越後」
『桐生さん、お久しぶりです』

越後は今、ライツ局という、うちが出した発行物の著作権管理や版権を持つキャラクターの活用する営業をしたりする部門にいる。

営業局との関わりはほぼなく、越後とは疎遠になっていた。

久しぶりだけど、参加人数が多くてゆっくり話をすることができなかった。

また、今度な。

言葉に出さなかったけど、きっと越後は分かってくれるだろう。
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