愛されオーラに包まれて
そこで、さっきからクスクス笑ってばかりの木村さんがメインディッシュを持ってきた。

「何で笑ってらっしゃるんですか?」

私の問いには

『あぁ…玲奈ちゃんが人の相談に乗っている姿がおかしくて』
『あ、そうだ、マサさんにも聞いてみよう。今の遥香ちゃんの話、マサさんはどう思う?男目線で』

すると、木村さんは隣のテーブルの椅子に座ってしばらく考えてから、口が動いた。

『とりあえず、おれが彼ならば、間違いなく襲ってるね。男はみんなそんなもんだ』

やっぱり…私が気をつけなけばならなかったんだよね。

『問題は、コトが終わった後の互いの気持ちもあるんじゃないの?遥香ちゃん、だっけ?覚えている限りで、彼とのセックスは、気持ち良かった?それとも苦痛だった?』

この話を男性にするのは、顔から火が出そうなくらい、恥ずかしい。

「前者、です…」

と、答えるのがやっとだった。

『どうでもいい女なら、その後落ち込まないし、悔しくてキスするなんてことはないと思うんだ。だから、順番は逆だけど、遥香ちゃんの気持ちの整理さえつけば、彼はきっと応えてくれると思う』

木村さんの言葉に、玲奈さんは"うんうん"と頷く。
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