スケッチブック









“美穂………?”






オトンが目を覚ましたのは、それから30分くらい。








やっぱり倒れただけあって、顔色は悪かった。











「美穂、すまんな。」




「大丈夫なん…?」










うちが聞くと、オトンは



「これから先生に聞くんや」




って。










「多分大丈夫やって!ちょっと疲れたんかなぁ…」






こまったような笑顔で先生に聞くオトン。






なぁ、オトン気づいた?





今、先生がめっちゃ険しい顔してるっちゅうこと。











「…相川さん、別室へ移動しましょ。話すことがあります。」




先生が言った。







「美穂、オトン行ってくるわ。」





それだけ残してオトンは、点滴引きずって先生の後ろを歩く。











その途中、オトンがフラフラしてしゃがみこんだ。






しばらくして、またふらふら歩き出してんけど。











なぁ、オトン。







なんで倒れたん?








ほんまに大丈夫なん?









何かの病気なんちゃう?











…オトンのちっさくなっていく背中を見て考えてた。





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