ストーンメルテッド ~失われた力~
「......はっ」
思わずジュノは、初めて目にしたダの姿に驚きを隠すことが出来なかった。
鋼鉄の鱗、鋭い黄色の瞳、地球7000週もの長さを持つ巨体......。
「ジュノ殿。よく来たな。ついて来なさい」
低く、よく通った声でダは言うと、踵を返して蛇の巨体を動かし始めた。
そうして、ジュノはダの元へとついて行くように歩き出した。
だが......突然、ジュノは足を止め、サンのいる後ろを振り向くと、思いっきりサンの元に駆け付けて、彼女はサンに抱きついた。
「また、会える?」
無邪気に、サンにしがみつくジュノはそう言った。
「あぁ。いつかまた、会えるだろう」
サンは、そんな確信は全くなかった。何故なら、先のことなど見当たりもしない。
しかし、ジュノの目を見るとつい、大袈裟に、言ってしまった。
すると、ジュノは不安げな顔を浮かべたまま、ゆっくりと少しだけサンから体を離す。
サンは、向こうでただ、待っているダと目を合わせた。
サンは、不思議と一言もダと言葉を発していないのにも関わらず、“それ”を感じ取ると、ジュノに向き直して一言、言った。
「大丈夫。行っといで」
その優しい口調に安心したジュノは、素早く彼から離れ、言った。
「うん!」
そして、ジュノはサンに手を振ると、踵を返してダの後に続き、歩き出して行った......。
これが最後のような予感、いや、でも分からない。......いつかは、また、きっと......会える時が......。
そんな思いを胸に抱きながら、一人、サンは、歩き出し始めた彼女に手を振り返した。
その手の先は、折れ曲がり、寂しそうに枯れる花のようだった......。