夫婦橋〜鈴RINと響いたその瞬間TOKIに
*第4章*涙の意味
(ちょっとぉ?
強引すぎじゃない?)
「あの…
どこへ行くんですか?」
不安な気持ちいっぱいに
なりながら
姿勢の良い背中に
問いかけた。
「あぁ。
とってもいい店知ってるんだ。
こっちに来てからの
俺のお気に入り!
蓮音ちゃんも
気に入るといいけど。」
振り返り笑顔で応える。
(お気に入りって…
まさか…
大盛りご飯おかわり自由とか
おじさんとかいっぱいの
ダイナミックな定食屋さんとか…
だったらちょっと
恥ずかしいなぁ…。)
商店街を抜けて
一角のビルの階段を昇る。
秀也と蓮音の手と手は
しっかり繋がれたままに。
「ここだよ。さぁどうぞ!」