夫婦橋〜鈴RINと響いたその瞬間TOKIに
*第4章*涙の意味

(ちょっとぉ?
強引すぎじゃない?)


「あの…
どこへ行くんですか?」

不安な気持ちいっぱいに
なりながら
姿勢の良い背中に
問いかけた。


「あぁ。
とってもいい店知ってるんだ。

こっちに来てからの
俺のお気に入り!

蓮音ちゃんも
気に入るといいけど。」

振り返り笑顔で応える。


(お気に入りって…

まさか…

大盛りご飯おかわり自由とか
おじさんとかいっぱいの
ダイナミックな定食屋さんとか…
だったらちょっと
恥ずかしいなぁ…。)


商店街を抜けて
一角のビルの階段を昇る。

秀也と蓮音の手と手は
しっかり繋がれたままに。

「ここだよ。さぁどうぞ!」
< 25 / 54 >

この作品をシェア

pagetop