声をくれた君に


「小田さん!」

「…なに?

さっさと佐野くんと帰れば?」

「小田さんと、話がしたいの!」

(もう、真っ向でぶつかっていこう!)

「私は別に話したいことなんてないから」

「いいからいいから!」

「ちょっと!」

私は強引に小田さんの腕を引っ張った。

彼女は諦めたのか、おとなしく私についてきてくれた。

人気のないところまでくると、私は小田さんの腕から手を離した。

「何よ、こんなところまで連れ込んで…

私をイジメ返すつもり?

好きにすれば?」

彼女は私から顔を逸らした。

「別に、イジメようなんて思ってないよ」

「じゃあ哀れみにでも来たの?

確かに私にはもう味方がいない。

だからあんたに何かしたら非難されるし、佐野くんにだって仕返しされる。

居場所すらない。

そんな私を笑いに来たんでしょう?

ざまあみろって思ってるんでしょ?!」

「私まだ何も言ってないよ!」

私は小田さんに目を合わせた。

逸らせないように、じっと奥を覗き込んだ。

< 129 / 209 >

この作品をシェア

pagetop