声をくれた君に
「悠梓くん!」
悠梓くんは昇降口で待っていてくれた。
「おかえり」
「ただいま!
ごめんね、待たせちゃって」
「別に。
そんなに待ってないし」
「ウソつき」
私は悠梓くんの指先をぎゅっと握った。
「ほら、冷たくなってる」
悠梓くんの指先は冷え切っていた。
(だって真冬の昇降口だもん。
寒かっただろうな…)
「ありがとう、待っててくれて」
「…別に、待ってないって言ってるだろ。
でも寒い、このままにしとけ」
悠梓くんは私に指先を握らせたまま歩きはじめた。
(もう、手袋の方が絶対あったかいのに…)
寒がりな彼がいつも手袋を持ち歩いていることを、私は知っている。
(でもこの方が幸せだし、黙っていよう)
何も言わず、私は彼の指先をぎゅっと握りしめた。
「ていうか寒いのに、ほんとにアイスでいいの?」
「いーの!」
(いーの、だって…
ほんと可愛いな…こんなに背高いのに)
私は彼の横顔を見上げた。