声をくれた君に


「コラ、上目遣い禁止」

彼は私の鼻をむぎゅっとつまんだ。

「いたたっ、だから無理なんだってば!

悠梓くん、背高いだもん」

「じゃああんたが伸びろ。

あ、やっぱりだめ」

(ど、どっちよ…)

「そのままが…可愛い」

「っ…!」

(もう、たまにしか言わないからもっと心臓に悪いよ…)

私はしばらく悠梓くんの顔が見れなくなった。

「あんたは何味のアイスにするんだ?」

「うーん…

じゃあ私も悠梓くんと同じトリプルチョコレートブラウニー味にしようかな」

「それはだめ」

「えー!」

「俺とちがう味にしろ」

(何よ、その独り占めみたいな…)

「じゃあストロベリーチーズケーキ味にしよーっと」

私はむっと口を膨らませてみたけど、悠梓くんは気づいてくれなかった。

(ま、いっか、ストロベリーチーズケーキもおいしいし)

駅前のアイス屋さんに着くと、約束通り私の分のアイスまで買ってくれた。

「ありがとう!

今度悠梓くんが落ち込んでたら、私がアイスおごってあげるからね!」

「ああ、楽しみにしてる。

まあ俺は落ち込んだりしないけどな」

(確かに悠梓くんが落ち込んでるところ見たことないかも…)

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