声をくれた君に


「いただきまーす」

私はアイスにかぶりついた。

「やばい、すごいおいしい!!

幸せー」

「あんた、いつも美味そうに食べるよな」

「だってほんとに美味しんだもん」

そう言う悠梓くんも、アイスを一口食べると、とても幸せそうな顔をしていた。

(無表情だけど、なんか目が輝いてるんだよね。

可愛い…)

「ほら」

悠梓くんの方を見ていると、急に目の前にアイスを差し出された。

「これ、食べたかったんだろ?」

「あ、うん、そうだけど…」

(悠梓くんが食べちゃだめって言うから…)

「俺の食わせてやる」

「いいの?!」

「ああ、早く口を開けろ」

「やった」

私はぱくっと、悠梓くんのアイスを頬張った。

「わ、おいしい…」

口いっぱいに広がるチョコレートの甘み。

「今、俺のアイス食べたよな」

「え、うん…」

「じゃああんたのアイスも俺に食わせろ」

「あ、うん、もちろん」

私は悠梓くんの口元にアイスを運んだ。

「はい、あーん」

「あ」

彼は無防備に口を開けた。

(や、やばい、可愛すぎる…!)

「ん、うまい」

「よ、よかったです…」

(思わず敬語になっちゃったし)



< 134 / 209 >

この作品をシェア

pagetop