声をくれた君に
帰り道、私も悠梓くんもあまりしゃべらなかった。
(まあ、もともと悠梓くんはあまりしゃべらないけど)
「3月だけど、まだ寒いね」
「そうだな」
私は当たり障りのないことを言った。
「…クラス、別々になるのかな」
「そうかもな」
(悠梓くんは、寂しくないのかな…)
「まあ8クラスもあるし、その可能性の方が高いだろうな」
(なんでネガティブな方向で考えるかな…)
私は少しむっとしてみせた。
「ばか、あんまり期待しない方が同じクラスになれた時に嬉しいだろ」
「あ、なるほど」
(納得できるような、できないような…)
「それに」
「それに?」
「朝は一緒に行く
お昼は屋上で一緒に食べる
帰りは一緒に帰る。
ほとんど変わらねーだろ?」
(そっか…)
「そうだねっ!」
そう言ったところで私の家に着いてしまった。
「じゃあまた明日…って
春休みだからしばらく学校行かないんだよね。
暇な時とか誘ってね、どこか遊びに行こう!」
「うん」
「じゃあ…」
(なんかしばらく会えないかもって思うと、いつも以上に別れがたい…
でも悠梓くんのこと困らせたくないし…)
「またねっ!」
私はニッと笑って見せた。
「ああ、またな」
私は急いで背中を向けて玄関に向かった。