声をくれた君に
「待て」
「わっ」
悠梓くんは背中を向けた私の手を掴んだ。
「やっぱり、もうちょっと」
「え…?」
「もうちょっとだけ、一緒にいてやる。
じゃなくて
…一緒にいたい」
悠梓くんは照れ臭そうに目を逸らした。
「いいだろ?」
(悠梓くん…)
「うんっ!」
私は嬉しくなって悠梓くんに抱きついた。
「…恥ずかしいやつ」
「いいの!
あ、そうだ、私のおうちに来る?」
「いいのか?」
「もちろん!
目の前にあるしね」
私たちは一緒に家に入った。
「おじゃまします」
「はーい」
「家、誰もいないのか?」
「うん、お父さんは7時くらいに帰ってくるから」
「ずいぶんと早いな」
「今まで仕事ばかりしてたから、これからはできるだけ早く帰るようにするんだって!」
毎日一緒にご飯を食べて
なんでもない話をして
テレビを見て
そんな毎日が、私とお父さんの一年間の空白を埋めていた。
「うまくいってるみたいでよかった」
「うん!」