声をくれた君に


「ねえ、悠梓くん、何かしたいことある?」

「そうだな…

したいというか、食べたい」

「食べたい??

おなかすいてるの?」

「そうじゃなくて…」

彼は少し迷ったあとに口を開いた。

「バレンタインのチョコ。

あのチョコプリン、俺のだよな…?」

(あ…!)

「もちろん!もちろんそうだよ!」

高橋くんにひっくり返されてしまったプリン。

あの時は悠梓くんに誤解され

バレンタインのチョコは渡せず終いだ。

「あの時は、嘘ついてごめんね?」

「許さない」

(え…!)

「俺にもう一回チョコプリン作ってくれたら、許してやってもいい」

「っ…!

うん、作る!今すぐ作るから!」

(それって私の作ったチョコプリンが食べたいってことだよね?

やばい、嬉しい…!)

私はキッチンに飛び込んだ。

エプロンを身につけ、冷蔵庫を確認する。

(板チョコに生クリーム、卵、バター…

材料も揃ってる)

「よし!」

私は気合いを入れて袖をまくった。


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