声をくれた君に


「あんた、最後の意味わかって言ってる?」

「そ、それはもちろん…」

(なんか大人の行為のやつ…)

そう言われると、恥ずかしさがこみ上げてきた。

(悠梓くんも顔真っ赤だし…)

「ていうか悠梓くんがやってって言うから…」

「俺はお風呂までしか言ってない」

(そう言われてみれば…!)

「でも、いいな」

「え?」

「珠李が、奥さん」

「わ、私だって

悠梓くんの奥さんにしてもらえたらいいなって、思うけど…」

(って、これはプロポーズ?!)

「当たり前だろ」

「え…?」

「あんたが俺以外の奥さんになるなんて許さない。

俺以外考えるな。

一生俺だけ見てろ」

「悠梓くん…

うんっ!」

私は嬉しくて悠梓くんに飛びついた。

「そういうわけだから、

早くプリン作れ」

「え、ええっ?!

何がどうなってそうなるの!

っていうか、悠梓くんが邪魔してくるから…」

「俺にこうされるの、嫌い?」

そう言って彼は再び私を後ろから抱きしめる。

「それは、好きに決まってるけど…」

「じゃあ俺のせいじゃない」

(もし悠梓くんの奥さんになったら、絶対尻に引かれる…)

結局後ろから抱きつかれたまま、最後まで作ることになったのだった。

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