声をくれた君に


「いつか言っただろ?

俺はあんたに助けられた。

だから俺はあんたを助けたい、守りたい」

「そういう意味だったんだ…」

「それに、あの頃から、俺はあんたのことが好きだった」

「え、うそ…」

私は小田さんの言葉を思い出した。

『俺は櫻田が好きだから』

転入して1週間の私を好きだと言ってくれた悠梓くん。

(そっか、そういう意味だったんだ…

って)

「10年間ずっと私のことが好きだったの?!」

「うん」

「途中何年も会ってなかったのに?」

「うん」

「私、あの頃と全然違ったのに?」

「ははっ、そうだな、はじめは驚いた。

髪の毛は茶色いし、化粧は濃いし、短いスカートはいて、ルーズソックスまではいて

暗い顔して…

昔はあんな天真爛漫だったのにって」

(悠梓くんの中でも私は天真爛漫な子だったんだ…)

「オマケに声も出ない。

俺を助けてくれた声

俺が大好きだった声」

「悠梓くん…」



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