声をくれた君に
「いっぱい、頑張ったんだね…
そんなの叶わないはずないよ!
悠梓くんなら絶対なれる。
私、応援してるからね!」
「サンキュ」
(私も、悠梓くんに報告しよう)
「私もね、練習してたんだ」
「練習?」
「うん。
ボーカルスクールに通ってたの」
「そうなのか?」
「声が出なくなって、やめちゃったけど…
もう一度、一から頑張る」
「…聞きたい」
「え?」
「珠李の歌、もう一回聞きたい」
「うん、いいよ」
私はケースからアコースティックギターを取り出した。
「ギター?」
「うん。
私の今の夢は、シンガーソングライターなの。
自分の声で、自分の言葉を届けたい。
自分だけが知ってる音を、たくさんの人に聞いてほしい」
「自分だけが知ってる音…」
「悠梓くんがはじめての人だよ。
私の歌を聞いてくれる人」
私はギターをかき鳴らし、息を吸った。