声をくれた君に
玄関を出ると、タクシーが待っていた。
トランクに荷物を乗せてもらい、後部座席に乗り込む。
「駅までお願いします」
「はい」
そう伝え終わると同時に、我慢してた涙が一気に溢れた。
(やっぱり寂しい、寂しくないわけない…
でも、今の寂しい気持ちが、絶対に私を強くしてくれる。
だから、泣くのは今だけにしよう)
そう心に誓った。
そして、
(次に帰るのは、夢を叶えてから。
夢が叶ったよって報告するために、あの家に帰る!)
強く決心して、私は涙を拭った。
駅に着くと、私はすぐにホームに向かった。
東京行きの新幹線を待つために。
私は決めていた通り、東京の専門学校に行くことになったのだ。
ホームに並んで待っていると、後ろから名前を呼ばれた。
「珠李」
「え、悠梓くん…?!」
大好きな人の声だから、すぐにわかった。
「どうしてここに…?」
「俺も東京に行くから」
「それは知ってたけど…」
悠梓くんも私と同じく、東京の専門学校に行くことになったのだ。
実は同じマンションだったりする。
もちろん部屋は別々だけど。