声をくれた君に
「珠李の新幹線の時間に合わせた」
悠梓くんも、大きなキャリーケースを転がしていた。
「そうだったの?!
それならそう言ってくれたらよかったのに…」
「期待してなくて会えた時の方が嬉しいだろ?」
「なるほど…」
「…嬉しくなかったのか?」
悠梓くんは不安そうな表情で尋ねた。
(わ、可愛い…
ちょっと意地悪しちゃお)
「さあ、どうかなー」
私がそう言うと、悠梓くんは私の顎をくいっと持ち上げた。
「俺に意地悪なんて、100年はやい」
さっきとは打って変わった意地悪な表情に、心臓がドキドキと音を立てる。
「俺に会えて嬉しくないわけないだろ?
あんたのことは俺がすべて知ってる」
(またそういうことを…!
でも、ほんとに全部わかってるから、何も言えないんだよね。
ていうか…)
「そろそろその手と視線を外して!
心臓に悪すぎるから!」
「やだ」
(やだって、可愛いし、もう!)
「あんたが恥ずかしがる姿
俺が好きなの知ってるだろ?」
「この鬼畜!」
「サンキュ」
「褒めてないっ!」