声をくれた君に


学校が終わって家に帰ると、メールが着ていた。

私はすぐに佐野くんの顔を思い浮かべてしまう。

(もう、すぐに期待してしまう癖はやめよう)

そう思ってメールを開くと、やっぱり佐野くんからだった。

(こういうことするから期待したくなっちゃうんだよ…)

私は画面の向こうの佐野くんに怒りをぶつけた。

メールは昨日より少しだけ長かった。

”誕生日いつ”

(これは…疑問文なんだよね、たぶん。

せめてクエスチョンマークくらいつけてよ)

私はまた小さく笑ってしまった。

(ていうか誕生日明日だ…!)

自分の誕生日なんてすっかり忘れていた。

今の私にとって誕生日というものは、年を取るというだけで特に何もないから。

(まあ聞かれたし、一応言っておこう…)

”明日です。佐野くんはいつ?”

それだけ打って送った。

(佐野くんは大人っぽいし、4月生まれとかなのかな?)

そんなことを思っていると、すぐに返信がきた。

その返信に私は一瞬固まった。

”やばい”

(…え、なにが?しかもそれだけ?!

もはや会話が成り立っていないような…)

相変わらずスクロールもなし。

(これは返信するべきなのかな…

返信しないとまた怒られちゃうのかな?)

しばらく悩んだが、何を返していいかもわからなかったので、結局返信せずに終わった。



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