声をくれた君に
その日の最後の授業は体育だった。
今日はバスケットボールだ。
私は人とぶつかりそうになった時に声が出せないから危ないという理由で、見学にさせられていた。
(一緒にバスケやっても、どうせ仲間外れにされるだけだし)
そんなことを考えながら体育館の隅に座っていた。
すると、隣に誰かが座る。
佐野くんだ。
彼は運動神経がよく、どんなスポーツもそつなくこなす。
が、極度の面倒くさがり屋だ。
「面倒だから、サボった」
(やっぱり…)
彼が見学するのはよくあることなのだ。
彼がチームにいればとてつもなく戦力になるので、みんな無理やりいれたがる。
その引っ張りだこ具合に疲れているのかもしれない。
(ほんと、人気者だよね。
別に人気者になりたいわけじゃないけど、人に嫌われない程度にはなりたいかも)
ふとそんなことを願ってしまった。
彼は私の隣に座っていたが、特に会話はなかった。
(でもせっかくだからいろいろ聞きたいことが…)
私は佐野くんの腕をツンツンとつついた。
「ん?」
佐野くんはすぐに振り向いてくれた。
が、