声をくれた君に


”プレゼントは何がいい?”

「うーん…」

佐野くんはしばらく悩みはじめた。

(特に欲しいものとかないのかな)

「リスの、なにか」

佐野くんは小さな声でそう答えた。

(ていうかすごく恥ずかしそうにしてる…

もしかして照れてるとか…?)

”リス好きなの?”

「まーな」

佐野くんの方を見ると、耳を真っ赤にしていた。

(ほんとに照れてた…可愛すぎる!)

「ばか、コッチ見んな」

彼は私の頭を優しく小突いた。

「この前リスの絵あげただろ」

(リスの絵なんてもらったっけ…

そもそも絵なんてもらったこと…)

私は佐野くんにもらったものを懸命に思い返した。

「アドレスの下に描いた」

(…あ!あの絵だ!

猫か虎か熊かわからなかったやつ。

リスだったんだ…)

私はあの下手くそな絵を思い出して吹き出した。

「何笑ってんだよ」

佐野くんは少しムッとした。

”佐野くんって絵描くの苦手なんだね”

「ばかにしてんのか」

”してないよ”

そう打ちながらも笑いは止まらない。

「くそ、ムカツク」

佐野くんのおかげで体育の見学は退屈しなかったし

今までで一番楽しい授業になった。



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