声をくれた君に
しばらく何もせず床に座り込んでいると、外から足音が聞こえてきた。
(もしかして見回りの先生かも…!)
私は声が出ない分、めいいっぱい扉を叩いた。
けれど、さっきよりも力が入らない。
手がかじかんできているのだ。
(どうしよう、ここで気づいてもらえなかったら本当に閉じ込められたままだ…)
私は必死に扉を叩き続けた。
(お願い、気づいて…)
そんな願いも虚しく、気づかないまま足音は遠ざかっていった。
(そんな…朝までここにいなきゃいけないの…?)
次にこの扉が開けられるのは、明日の体育の時間か何かだろう。
(でもそれは他の学年かもしれないし、いじめが知れ渡るんじゃ…
いいのかな?
ってなんで私がいじめる側の心配なんか…はあ…)
私は途方にくれて天井を仰いだ。
(寒くなってきたな…)
一月下旬の今、一年で一番寒い時期かもしれない。
閉じ込められたのは、一日中日の当たらない体育館倉庫の中。
(やばい、手がかじかんでるどころじゃない。
寒すぎる…)
体中の震えが止まらなくなっていた。
体操着のままで、たいして厚着ではない。
(もしかしてここで凍死ってこともあるのかな?
それはさすがに…ないよね?)
でも、この季節、夜中は0度を下回るのは当たり前だ。
(あり得るかも…)
暗闇の中、急に心細くなった。