声をくれた君に
少し前までなら死んでもいいやって思えたかもしれない。
大事な人を傷つけ、殺してしまった私だ。
学校に行ったっていじめられるだけ。
生きることに意味を見出すことすらできなかった。
でも、今は
(もう一度、佐野くんに会いたい…)
こんな時に気付いてしまうなんて
今更気付いてしまうなんて
(私、佐野くんのこと好きなんだ…)
冷えた頬に暖かいものが流れる。
(今までずっと耐えて来たのに…
止まんないよ…佐野くんに会いたいよ…)
気づいてしまった想いに、ボロボロと涙を流す。
子どものように泣きじゃくった。
どんなに悔しくたって、どんなに辛くたって、絶対に泣かなかったのに
彼にもう会えないのかと思うと、たまらなく悲しくなった。
(佐野くん…)
けれど、しばらくして泣くことにも疲れてしまった。
泣き続けたせいで、さらに体力は奪われいる。
閉じ込められて数時間経過、おそらくもう日付が変わるころだ。
皮膚の感覚もなく、寒さも分からなくなってきた。
それに
(眠い…
でもそれってだめなんじゃ…)
遭難したときに寝てはいけないというのを聞いたことがある気がする。
(今眠ったらもう二度と起きれなくなるのかな…
でも眠ったまま死んじゃうなら、楽でいいかも)
そんな不謹慎なことを、回らなくなった頭で考えてしまった。