音色
 先程の利香の答えをいい風に解釈したようで、すっかり多恵はデートだと思い込んでいるらしい。

「今度音楽の先生方も含めて行きましょうよ、ね、ね?」
「そうですね」
 同時に更衣室を出ると、彼女は教官室に向かうと言って階段を上っていった。

 ふう。
 ため息が出る。

 行くしかないのか。
 腕時計で時間を確かめると、利香は足早に職員用玄関を目指した。

 
< 11 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop