音色
 「チーム佐溝」なんて、括られていていいのだろうか。

 惹き込まれ、魅了され、絡めとられた。

 もっと、聴きたい。もっと、触れたい。もっと、…………。

「おいっ」
 目の前に突然現れた顔が、利香を現実に引き戻した。

「ひ、かる?」
 黒縁眼鏡の奥にある漆黒の瞳、ひげの薄い顔。
 先程までスポットライトを浴びていた同一人物とはとても思えないほど、野暮ったい服装に身を包んだ佐溝光が立っている。

「おまえなぁ。26にもなって公共の場所でぼーっとするなよな」
「うるさいなあっ。わたし、まだ25ですっ」
「あと何日だ?」
「…………」
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