無口なカレとの甘い恋

「じゃあ、俺いくね。真面目に勉強しろよ」


「うん」


ニコッと笑いかけてくれた伊織君に笑顔で頷く。


「それと、昨日は……ごめん」


すると、伊織君は最後にほんの少しだけ視線を下げて謝った。


「もう気にしてないよ」


あたしがそう答えると、伊織君は軽く手を挙げて歩き出す。


その周りを囲むように女子達が大移動を始める。


「す、すごいなぁ……」


やじ馬のほぼ全員が伊織君の取り巻きだったようだ。


伊織君がいなくなると、その取り巻きもどこかへ消えてしまった。


静かになった廊下に残されたあたしは苦笑いしながらポツリと呟いた。
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