。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
「ま。そんなわけやから」
響輔があたしの二の腕を掴んで腹筋だけで起き上がろうとして、近くに転がったあたしのバッグに目を向けた。
今日はシンプルなCHANELの黒トート。そのバッグにも相変わらず響輔がくれた『くますけ』……もといテディベアがぶら下がっていて、
そのバッグの口からカラー写真が一枚、飛び出ていた。
それはさっきのアイドルさまとイケメン俳優とのツーショットで……
「これ何?」
響輔が興味深そうにそれを手に取った。
「また何か企んでるん?」と冗談混じりに言って、あたしは本気でムッとなって響輔から写真を取りあげた。
「知らないわよ。誰かがこの女を隠し撮りしてたの」
「この女―――前、撮影現場に居ったね」
「そうよ。あんたに色目使ってたわ」
「色目……へぇ気づかんかったけどな。俺、ああゆうタイプ苦手なんや」
苦手……
とか言われてるし!!
クスッ
あたしは喉の奥で笑った。
いいざまね。
………なんて思ってる場合じゃない。
「この写真、あんたが撮ったんじゃないの?」
「は?何で?俺、そんなに暇じゃあらへんし」
……そうよね。たとえ響輔に時間があったにしろ、こんな陰険なことするとは思えない。
(あたしじゃあるまいし)
それに何につけても無気力な響輔がわざわざこんな回りくどいやり方しないわよ。
じゃぁ誰が――――