。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
響輔が腕を滑らせて、あたしの手をそっと握ってくれた。
はじめての―――――
響輔から手繋ぎ……
指と指を絡ませて、照れ隠しなのだろうか頬杖をついて窓の外を眺めている。
しっかりと合わさった指と指。
響輔の指先は、真夏だと言うのにひんやりと冷たく、さらりと感触が良かった。
何でもないこの一瞬が―――あたしにとっては宝物。
あたしはこの幸せを噛み締めるようにゆっくりと目を閉じた。
けれど幸せってそう長くは続かないものなのね……
テーブルに置いたあたしのスマホが震えてメール着信を報せてきた。
響輔が先に気づいて
「ん」短く言って、あたしにスマホを差し出してくれた。
同じだけ「ありがと」短く返して受け取り、メールを開くとフリーメールのいかにも捨てアドレスだと思われるアドレスから内容が書かれていないメールが届いていた。
直感
“あいつ”からだ―――
「―――――……!」
あたしはスマホを握ったまま不自然じゃない程度に辺りに視線を配り、窓の外に……人ごみに混じって遠くの方に
玄蛇
の姿を見つけたときは息を呑んだ。