。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅴ・*・。。*・。
もし――――
もしもよ……?
玄蛇が本気であたしを愛してくれていたのなら、響輔はあいつにとって邪魔な筈。
何をされるか分かったものじゃない。
最悪の出来事を想定してあたしは二番目に打ったメールを送信することにした。
けれど
『送信』ボタンをタップすることはなく、あたしの指先はいつまでもその場所で不自然に彷徨っていた。
何を迷っているのだろう―――
そんなことをぼんやり思いながらカクテルのグラスを持ち上げると、グラスの中は空だった。
小さくため息を吐いてお代わりを頼もうとすると
すっ
頼んでもないのに、一杯目と同じカクテルが出された。ただし、今度はブルーではなく淡いピンク色。
顏を上げて窓ガラス越しにその姿を見つけると―――
「“あちらのお客様から”
って言うのを一度やってみたかったんだ」
さっき見た冴えないサラリーマン風情の恰好の玄蛇が眉を寄せてあたしの背後に立っていた。