【完】神様のうそ、食べた。
煙草を灰皿に押し付けると、私に一歩近づいて避 ける間もなく髪に触れる。 優しく、髪を整えてくれながら、顔を耳元に近づ けて。

吐息のように囁く。

――教えろ。

「!?」

慌てて離れると、携帯が鳴った。 こうもタイミングが良いと監視されているんじゃ ないかと思ってしまう。

「弟に助けてもらうから返事はしなくていいって 思ってるんか?」

「部長……」

「楽でいいな。お前は」

「そんなこと、ありませ、」

「真は、有沢の子どもなんだ」

急に真面目な顔になって、そう言うと、私の顔を 覗きむ。

へ……?

有沢さんが? 真君の?? でも、保育園で会ってもお互い面識なさそうなの に?

侑哉からの電話が鳴り響く中、取る余裕なんてな いぐらい動揺してしまう。

「じょ、冗談ですよね?」

へらりと間抜けに口をよがませて笑うと、気の抜 けた声でそう言ってしまった。
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