【完】神様のうそ、食べた。
「冗談なもんか。腹が立つが俺が引き取ったか ら、有沢は俺には頭が上がらね―んだよ」

――あっ

有沢さん、私にも伝えたいことがあるって言って たけど、この事だったのかな。

真君の置かれた環境が複雑すぎて、いよいよ眉を しかめてしまう。

「あんな涼しい顔して次もまた若い女狙ってるか ら、懲りね―よな。応援してやりたいが、信用はし てない」

「なのに、合コンなんてしたんですか?」

部長の考えている事が分からないし、真君も愛情 はあるみたいだけど離れて暮らしてるし、色々と 理解できない。

「お前とゆっくり話す為だろう?」 「!?」

そこ言葉に少しだけ、嫌な胸のざわめきがする。 封印してあきらめたはずの感情がぐずぐずと動き だしそうな。 真君や有沢さんの事を利用して私の気持ちを聞き だそうとしているのか、 ――真君の様子を見に来たついでに私の事を気にか けてくれているのか分からないのに。

ズルイ でも。
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