【完】神様のうそ、食べた。
「いいよ。そこまで言えない内容なら、言えるぐらいの仲になればいいんだろ?」
あっさりそう言うと、下を向く私の頭を、優しくポンポンと叩く。
「いっつもクソ真面目で言いたいことも我慢して下向いて、さ。
そんな姿も維持らしくて庇護欲がそそられるけど、俺はもっと自分を曝け出して欲しかった」
ズルイ。ズルイズルイ。
「俺の扱きに泣かないお前を、もっと知りたかったんだ。――みなみ」
――ズルイ。
いっつも怖くて、営業と裏の顔が違ってて、近寄りがたい部長だったのに。
どうしてこんなに胸の中に侵入しようとしてくるんだろう。
欠陥品なの。誰にも恥ずかしくて言いたくないの。
――誰にも見つかりたくないの。
唇を噛み締める私と、黙って頭を撫でる部長。
いつの間にか携帯も着信が止み、静かになっている。
部長は確かに怖いけど、後ろを着いて行くのには安心できる、頼りになる人だった。
言ってることも間違いではなかったから、怖くても怒られた事は素直に従った。
――でも、この思いは共有することも共感することもできない。
話してって、気を使わせてしまうだけなんだもん。