ヒマワリ君の甘い嘘
流石に今度は高崎くんも追いつけなかったみたいで、高崎くんの手をスルリと避けた日向くんは、そのまま教室をでて行ってしまった。
「おい、葵生!………もー、なんだよあいつ」
「私なんか変なこと言っちゃったかな…?」
「いや、多分めんどくさくなって逃げただけだと思う。あいつ恋愛とかそういうの疎いから」
頭をガシガシと掻いて、高崎くんはため息を吐いた。
なんか、いろんな事があり過ぎて頭が追いついていかないんだけど……
「あ、そうだ。俺が白石のこと好きなの秘密にしといてね」
ニッコリ笑うと、じゃあ俺も追いかけようかなー、と言って高崎くんも帰る支度をし始めた。
チラリと時計を見ると四時五十分。
いつのまにか時間が過ぎていた。
私もそろそろ帰ってもいい時間だ。
高崎くんに続いて帰る支度をする。
「今日は無理矢理ゴメンね。あ、あと葵生は大丈夫だから、気にしないで。…じゃ、バイバーイ」
そう早口で言った高崎くんは、あっという間に教室からでて行ってしまった。