哀しみの瞳

大好き

暫く学校を休んだことで、気持ちを落ち着かせる事ができた。色んな事を考える時間が持てた。



久し振りのコーラス部―――


思いっきり声を出す事で、何かが変われるような気がしてた。


意外と発生練習が上手く出来たと思った。



部長の矢沢先輩が

「あれれっ、どうしたのかなぁ?久し振りに出てきたと思ったら、何か、声出てるじゃない?以前の吉川さんじゃぁないみたいだわね? ねっっ、みんなぁ、そう思わない?」

みんな、うんうんと頷く。


「何かあったのかな?でも…はいはい、その調子よ!お腹の底から声出すのって、気持ちいいでしょう?」




私は、秀の事が好きなんだって……
兄とか、従兄弟としてとかでもなく、一人の男の人として、大好きなんだって。この頃から私の心の中では、ハッキリとそう思うようになった。
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