哀しみの瞳

家出と旅立ち

ある日、秀はいつものように、書庫で、探し物の本を見付け、長い間読んでいた。めったに学生達が来ないこの時間が秀は好きだった。
全国にある国立大学の資料も、ここで見付け、理恵の受験する大学の事も詳しく調べることができた。今日も、保育に関する専門書を見付け読んでいた。
一段落して廊下を歩いて行くと、白いボードに貼ってある一枚の用紙に気がついた。いつもは何も貼ってないのに?

法学部 学生必見!!と書いてある。


秀は学生が群がる職案をなるべく見ないようにしていた。もう他の学生は就職先が決まっている者も多く、秀は遅れている方だった。
それには、ある法律事務所が書いてあり、面接日とか場所が細かく記載してあり、秀はその住所をよくよく確認した。
秀のアパートからの交通の便もよさそうであった。
あれぇ!この地図からすると、理恵の大学の近くでは?
とにかく、この面接日に早速行ってみようと思った。
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