キミとひとつになれたら
「こんな時間にどうしたのかな?しかも裸足じゃん。靴履くの忘れたの?」
「別に……」
兄に追い出されました、なんて言えない。
「ふ―ん」
素っ気ない返答をして、彼は私の隣に腰を下ろした。
「お尻が濡れるよ……?」
「いいよ」
「あっそ」
私はふいに空を見上げた。
まだまだ雨は止みそうにない。
「河瀬さん」
四ノ宮くんが急に立ち上がって、私の前に立って、
「うち、おいでよ」
と言って、手を差し出した。
「……は?」
何でそうなるの?
「どうせ何か事情があって、家に帰れないんでしょ?」
何も言えなかった。
まさにその通り。
何で彼は何もかも見透かしたような事を言うんだろう?
「こんな時間に女の子が1人で出歩くのは危険だよ?だからここは、僕のうちに来るって選択が無難だと思うけど」
理屈っぽいけど、間違った事は言ってない。
「それに、痛むでしょ?足」
彼の視線が私の足元を捉えた。