キミとひとつになれたら




それから、彼はいつも通りだった。



いつもと同じ、とても優しかった……。





「小春ちゃん、今日うちに来なよ」



放課後、彼からお誘いの声がかかった。


彼の家には、恋人になってからは行ってない。




「えっと……」


「どうせ今日も、親いないから」




突然の誘いに、戸惑いを感じながらも、




「行って…いいの?」


「もちろん。小春ちゃんなら、いつでも大歓迎だよ」


「じゃあ…行こう、かな」



結局、お言葉に甘える事にした。


どうせ家に真っ直ぐ帰っても、兄に鬱陶しがられるだけだもん。




「嬉しいな。さっ、行こうか。小春ちゃん」


「うん」





< 55 / 420 >

この作品をシェア

pagetop