[中]余命24時間
それなのに――…。
『何かあったらさ、誰でもいいから、誰かに言えば?
別に俺に言えとかは言わないけどさ。
例えば日記帳でも何でも。
全部吐き出せば、すっきりするぞ?』
…自然に。涙が頬を伝っていた。
よく、"俺に全てを話してみない?"っていうセリフを、漫画やドラマで聞くことがある。
その時、いつも思うの。
"どうして他人にそんなこと吐き出さなくちゃいけないの?"って。
"何も知らないくせに、偉そうなこと言わないで"って。
だけど、翔だけは違った。
"誰でもいいから"
その言葉が、素直に嬉しかった。
この人になら、本当のことを、本音を話せると、思った。
でも、時間はあまりにも短すぎて。
唯一本音を話せるかもと思った人は、あたしの言葉を聞かずに、あたしの前から去っていった。
ああ、もう逢えないんだなって。その時はそう思って。
少しずつ芽生えた花を、根っこごと引き抜いて、そこに置いた。