[中]余命24時間
「みーのーんー。
何ですねてんの?」
布団越しから聞こえる翔の声は、少しこもっていて聞こえづらい。
あたしはベッドの中で壁側にごろんと転がり、深く布団に潜り込む。
「もしかして怒ってる?
別にあれはそんな大したもんじゃないから心配すんなって」
すねてる訳じゃない。
怒ってる訳じゃない。
ただ、悲しいだけ。
翔があたしに隠し事をしているということが。
翔は、あたしのことどうでもいいのかな?
だから隠し事するのかな?
きっと、いつもだったらそんなこと考えない。
だけど今、あたしの命の終わりが近づいてるって、そう思うだけで不安になってしまう。
泣いてはけない。
涙が不安を大きくする。
「…っ――…」
バカだなあ、あたし。
自分で決めたことも、守れないなんて。
こんなんだから、翔に隠し事をされるんだ。
こんなんだから、翔を困らせてしまうんだ。
強く、なりたいのに…。