涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
……マジでなんなんやろ。
底抜けに明るくて可愛い彼女に置いていかれてる感がめっちゃあるんやけど。
「じゃあ!着替えたらあの丘に集合ねっ!帰ろう、麗矢」
「うん」
仲良く教室を出て行った二人を見送って圭都と目を合わせた。
「ごめんな、なんか」
「圭都って謝ってばっかやね」
「うっせ。俺らも帰るぞ」
俺らって、まさか、一緒に帰る気?
隣にいる圭都を盗み見ようとしたらばっちり目があってしまって、あからさまにそらす。
「うっわー。ばり傷ついた今の……」
「だってこっち見とるって思わんやったし」
まあ、いいや。帰ろう。
しぶしぶ圭都と二人で教室を後にした。
校舎を出たところで叔父さんと美紀さんの姿を見つけて駆け寄る。
「なん、もう彼氏できたん」
「そんなんじゃないけん!!」
ニヤニヤする叔父さんとそれを見て笑う美紀さんにため息を吐いた。
もう、なんでもいいや……。