晴れ、時々、運命のいたずら



稔と松本城へ行ってから1週間が経った。


稔は相変わらずニコニコ話しかけてくるのだが、どうしても美咲の事もあり、教室の中では穂乃花はなるべく距離を置いていた。



「穂乃花。」



放課後、1人で校門を出た所で呼び止められた。


同じクラスの中で一番仲良くなった山梨真澄(やまなしますみ)だ。



「たまには一緒に帰ろうよ。」



「うん。」



真澄も穂乃花と同じく中学から転校してきた共通点があり、すぐに仲良くなれた。



「私ね、この前初めて善光寺に行ったの。」



「そうなんだ。」



「長野に来て、やっと慣れて来たけど、まだ分からない事ばかりで…。穂乃花はどこか行ったの?」



「え?」



「長野の有名な所。」



「…。」



稔と松本城に行った事を告げて、もし美咲の耳に入るとどうなるか分からない。



「まだ、どこにも行っていない…。」



「そっかー。でも長野っていいよね。山が多くて自然が多くて。私、茨城で海ばっかり見てたから…。」



真澄はニコニコと話しながら空を見上げた。


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