いつまでも
連絡先。
結局まだ、イサワくんの連絡先を知らないでいたのだ。


思い出した衝動で思わず呼び止めたのに、肝心なことを伝える時の私の声は少し震えてしまっていた。


「イサワくんのメアド、ハルカちゃんから聞いてもいいかな?」


実のところ、あとから愛理経由でハルカちゃんに聞いてもらうことはできる。

でもせっかくこうして直接話せたんだから、ここは私の口から直接言うべきだと思った。

恥ずかしさのあまり、思わず俯く。


すると、ふふふ、と可愛らしい笑い声が聞こえた。

顔を上げてイサワくんの方を見る。


「うん! メール待ってるよ!」


彼はそう言って親指をピンと立てた。

そこに添えられた満面の笑顔があまりにも眩しすぎて、結局私はもう一度俯くことになってしまった。


そしてイサワくんは再び手を振って、今度こそ本当に図書室から出て行った。
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