木曜日の貴公子と幸せなウソ
邦章と想いが通じ合った事が夢でない事を祈りながら、私は眠りについた。
心がかなり温かい……。
「……」
次に目を覚ますと、窓からオレンジ色の光が部屋の中に差し込んでいた。
一瞬、自分の状況がわからなかったけれど、すぐにここが邦章の部屋だと理解する。
夢じゃなかった……。
その事にホッとして、私は起き上がってベッドからおり、リビングに通じるドアを開けた。
「ああ、おはよう。具合はどう?」
「……少し楽になった」
私が出てきたことに気づいて、キッチンにいた邦章がこちらに来た。
私のあごに手をかけて、上を向かせると、両手で私の顔をつつみこむ。
「顔色、だいぶ戻ったな。熱は……」
「……っ」
邦章はそのまま自分の額を私の額にくっつけた。
この前、車の中でされたように。