木曜日の貴公子と幸せなウソ
反応してドキドキしてしまうのは私だけ?
「熱もないな。おかゆ作ったんだけど食える?それともココアいれようか?」
「……ちょっとだけ食べる。それとココアも」
何でもないような顔で、邦章は私から額を離した。
1人でドキドキしているなんてズルい。
きっと邦章より私の方が好きの気持ちが大きいんだ。
……こんな事考えている内は、まだまだ大人の女性にはなれないなぁ。
「……忘れ物」
「え?」
キッチンに戻りかけた邦章が戻ってきて、そっと私にキスをする。
ほんの一瞬の事だった。
そして、ギュッと私を抱きしめる。
「萌が大好きだ。何度言っても何度抱きしめても、何度キスをしても、足りないくらい」
「わ、私も!邦章が大好きだよ……!」
「残念。そこはオレの方が勝ってる。萌には負けてない」
「そんな事ないよ。私の方が……」
こんな言い合いをするのも子どもみたいで笑ってしまう。
それに気が付いて、私と邦章は顔を見合わせて笑った。