アルマクと幻夜の月
「あいにく今はできない。ランプを失くしてしまったからな」


だが、と、イフリートは続ける。


「ランプが見つかればおまえの願いを叶えられる」


「え……?」


「俺の魔力の根源はランプにある。

もう何十年も前に失くしてしまったランプが見つかれば、おまえの願いをいくらでも叶えてやれる」


その言葉を、手放しで喜べるほどアスラも愚かではなかった。


「そのランプは、どこにあるのか見当はついているのか」


「いや、ついていない。

もしかしたらこの国のどこかかもしれないし、遠い国にあるのかもしれない」
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