ビター・スウィート



「素敵な結婚パーティでしたねぇ」



それから時間は流れ、空が夕日に染まる頃。

結婚パーティを終えた私と内海さんは、帰り道である街をスーツとドレスという格好で並んで歩く。



「広瀬先輩のタキシードも素敵でしたけど、奥さんも白いドレスが素敵でしたね」

「まぁ、元が美人だからな。綺麗系でスタイルもよくてお前と真逆だ」

「なつ!うるさいですよ!」



悪かったですね!否定はできないけど!

昼間あんなに抱きしめてくれた人の言葉とは思えない発言に、私はぶすっと歩く。



「内海さんなんて、サプライズで友人代表のスピーチして噛みまくってたくせに」

「うるせーな!なにも聞かされてないでやらされたんだから仕方ねーだろ!」



パーティ中の『えー、本日はお日柄もよく……』としどろもどろとした挨拶をしていた、滅多に見れないような内海さんの姿を思い出すと笑えてしまう。

照れた顔の彼が、またちょっとかわいい。



「……でも、本当いいパーティだったな」



ぼそ、と内海さんが呟いた言葉に思い出すのは、パーティ中の奥さんと並び幸せそうに笑う広瀬先輩の姿。

真っ白な姿で、愛おしい瞳。そんな二人の背中に広がる青空は果てしなく。


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